予防歯科Preventive

予防歯科の重要性

予防歯科の重要性

歯とその他の組織との決定的な違いは、削ると元には戻らないことです。
ですから、なるべく削らない、もしくは早期に虫歯や歯周病を発見し治療することで、最小限の治療介入にとどめることは、一生涯、歯を残していく上では非常に大事な事です。そのためには、歯科医院での定期的なメンテナンスは欠かせません。

当院では、一人一人に適したメンテナンスを実施します。何か月毎に受診した方がいいのか、どんなメンテナンスをした方が良いのか相談の上行いますので、ご相談ください。

定期健診について

定期健診について

今や定期的に歯科を受診し、お口のトラブルを未然に予防していくことが当たり前の事になっています。虫歯も歯周病も重症化して初めて痛みや腫れを伴うケースがほとんどで、軽症の場合は自覚症状がほとんどありません。

重症化してから歯科を受診すると治療内容が大幅に増え、通院回数も増えてしまう事になります。
ですから定期的な歯科医院でのチェックは一生涯ご自身の歯で過ごしていくためには非常に重要な事です。
私たちは来院された患者さんに対して主に5つのポイントに注意しています。

1.日常生活の変化

日常生活の変化

子供の場合

子供であれば、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、社会人へと成長と共に日常は変化していきます。
小学生ぐらいまでなら保護者の目の届くところにいると思われますが、中学校、高校と進学していくと、勉強や部活や友達との付き合いなど様々な事に対して、日常生活は変化していく事でしょう。

そんな中で、食べる物や飲む物も変わり、学校帰りあるいは習い事の帰り、または勉強中などに間食をするタイミングが増えてくることもあるかもしれません。すると今まで、問題のなかったはずの口腔内環境は変化し、虫歯を作ってしまうリスクが上がってくるかもしれません。

大人の場合

大人の場合は職場や自宅が変わった時や、結婚、出産など家庭環境が変化することもあるかもしれません。
すると生活リズムが必然的に変わり、食生活や歯みがきをする時間が乱れると、虫歯になってしまうリスクが高まることもあります。

また30代からは歯周病のリスクは高まり、初期症状がない歯周病に罹患していることに気付かず放置していると、後々歯を失うリスクが高まります。

ご年配の場合

ご年配の方は唾液の分泌量の低下により、虫歯のリスクが高まる傾向にあります。
特に人工物(プラスチック、銀歯)とご自身の歯の境目、あるいは歯の根元の方が虫歯になることがあります。また、持病をお持ちの方(高血圧、糖尿病、心疾患など)は歯周病によって歯を失うリスクも伴うため、健康状態も常にアップデートし、お口の健康管理にも結び付けていく必要があります。

いずれにしても、年齢や生活環境の変化は日常生活に大きく関わるので、歯科医院では、その変化に対応しながら患者さんお一人お一人に合わせた予防方法を提案致します。

2.日々のブラッシングの様子

日々のブラッシングの様子

歯ブラシのポイントをご指導します

定期健診の際、お口の中でまず見るのは歯ブラシができているかどうかです。
虫歯も歯周病も細菌による感染症ですから、やはり口腔内を清潔にしておく必要があります。一見きれいに磨けているように見えても、ご自身では気づきにくい歯の裏側や、歯と歯の間、歯と歯茎の隙間などにも目を配り、その都度、その方に適した歯ブラシのアドバイスが出来ればと思います。

また必要に応じて、歯間ブラシ、デンタルフロス、洗口剤の使用についてお話させて頂き、より良いセルフプラークコントロールが出来るようにお手伝いしたいと思います。

3.虫歯、歯周病への罹患の有無

虫歯、歯周病への罹患の有無

定期健診の最大の目的は虫歯、歯周病の
早期発見、早期治療です

虫歯も歯周病も軽症ですと、たいした痛みとして自覚症状はでません。
また口の中をご自身で確認することは困難ですし、重篤化していることに気付きにくいことが多いです。
特に歯周病は歯を失う1番の原因であり、いわゆる歯周病の症状でもある歯がグラグラするのは、すでにかなり歯周病が進行してしまった時の末期の症状です。

そこから治療に取り組み、口腔機能を回復させていく事はかなり苦労されるケースが多いです。ですから、定期的に口腔内を歯科医師に見てもらう事は非常に重要であり、歯は食事、会話など日常に欠かせないものであるが故に、生涯にわたって大切にしなければならない人体の組織の1つです。

もちろん定期健診の際に、虫歯や歯周病に罹患していないに越したことはないのですが、それでも治療が必要になるケースはあります。ですが、早期に発見し、治療を行えば最小限の治療介入で済むことが多いです。痛いから歯科医院に行くのではなく、今の現状を維持または予防していくために、ぜひ定期的な歯科医院への受診をお勧めします。

4.人工物の状態

人工物の状態

詰め物の確認をしていきます

歯を削ったり、もしくは失ってしまった場合、残念ながら今の歯科医学では歯を再生させることはできません。つまり失った歯については現状、人工物(詰め物、被せもの)に置き換えるしか方法はありません。ですが、やはり自分の歯が元通りになったわけではないので、人工物の使い方だったり、ケアの仕方には十分気を付ける必要があります。

家でも築年数が経過すれば、出来た当初と比べればそれなりに変化はしていくものです。それが口に入った人工物は様々な食べ物を咬む力に日々耐え忍ばせるわけですから労わってほしい所です。
つまり、歯科でのメンテナンスを受け、口の中を定期的にきれいさっぱりさせなければ、長期に渡って人工物を長持ちさせることは困難です。

ですから詰め物や被せ物をいれて治療が終了した後には、それらとこれから共にしていくにあたって、ぜひ歯科でのメンテナンスを受診してください。

5.噛み合わせの状態

噛み合わせの状態

正しい噛み合わせになるように
ご指導していきます

私たち歯科医師は虫歯や歯周病などの細菌による感染症を見るだけでなく、嚙み合わせの状態も常に確認しています。
噛み合わせというと上の歯と下の歯の噛み合いにばかり目が向きがちですが、噛み合わせを構成しているものは歯だけでなく、顎関節(頭の骨と下あごの骨のつなぎ目)や顎を動かす顔回りの筋肉(首、顔、頭の筋肉)、あるいは全身とのバランスも噛み合わせに重要な要素となります。
車を車検にいれて、ボンネットだけ見て、あとは見ませんなんて事はないのと同様に、我々は人体の中の1つの構成要素である口が体全体として問題なく機能しているのかを見ています。

ですから噛み合わせが良いのか、悪いのかの評価はただ単に歯並びが良い悪いではなく、その噛み合わせが患者さんの体の一部として機能しているのかどうかが大事なポイントとなります。歯並びが良いともちろん、噛み合わせが悪くなるリスクは圧倒的に下がり、将来歯を失ってしまうリスクを回避できる可能性が高まります。事実、歯並びが良い人と悪い人では統計学的に歯並びが良い方が、歯が残りやすいというデータはあります。

しかし、歯並びを良くすることは非常に大切なことですが、歯並びが悪くとも機能的に問題ないのであれば十分経過良好に歯を保つことはできます。つまり、歯並び以外の噛み合わせを悪くさせてしまうその他の要因(顎関節、筋肉、全身のバランス)に重点を置き、問題が生じないようにすれば良いのです。
噛み合わせはお一人お一人違いますし、経年的にも変化していくものですから、虫歯、歯周病とともに定期的にチェックすることをお勧めします。

予防歯科メニュー

予防歯科メニュー

PMTC

PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、訳すと「専門家による機械を使った歯の清掃」という意味になります。
様々な専用機器を使用して、虫歯や歯周病の最大の原因である「バイオフィルム(歯の表面についた細菌のかたまり)」や歯垢・歯石を除去していきます。あくまで歯のクリーニングなので、ドリルなどで歯を削ることはありません。

普段の歯磨きでは除去できない汚れが取れますので、爽快感を味わうことができます。バイオフィルムは約3ヶ月で再生されると言われていますので、定期的なPMTCをお勧めしています。

フッ素塗布

医院で歯に高濃度のフッ素を塗布します。フッ素を定期的に歯の表面に塗布する事で、虫歯になりにくい歯を育てていきます。十分な効果を得るためには、年に3~4回のフッ素塗布を行うことが理想です。